2010年8月16日月曜日
明治生まれの足踏みミシン
どうもみなさんこんにちわ。
今日は8/16。お盆の最終日なんですかね。
私の勤務先は昨日の15日までがお休みでしたので、今日から通常営業で出勤なんですけども。
朝の通勤電車はそんなに混み混みってわけでもなく、かといってガラガラに空いてるわけでもないっていう割と中途半端な状態だったりして。
でもってスーツ姿のお兄さんやお姉さん達は、皆どことなく疲れた顔をしてるのがちょっと可笑しい朝でした。
みんな遊び疲れてるみたいだけど頑張れー♪
ま、かくいう私もスーツこそ着てませんけど、おんなじように疲れた顔してたんかなーて思いますけどね。
今日は京都では、大文字の送り火の日です。
Google先生のトップページも見事に大文字になってたのでちょいびっくり。
「五山の送り火」って言葉も、変換機能の頭の悪いマックさんで一発変換で出てくるのももひとつびっくり。
私は長年京都に住んでいますけども、五山の送り火をちゃんとした形で「観に」行った事は、幼少の頃に一回しかありません。
前々から言ってますように、人の多いのがなにかと苦手なものでして(汗)
祇園祭りもそうですし、こういう人のぎょうさん集まるイベントはもひとつ食指が進まなかったりするんです。
でも実際の五山の送り火は、それこそ名の通り、京都市内を囲む五山で灯される事になりますので、間近で絵はがきみたいな光景でないとイヤ!て感じじゃなければ、適当に京都市内をぐーるぐる車で回ってるだけでもかなり見る事が出来ますです。
私はわざわざ見に行く事はしませんけども、仕事で車で走り回っていたときは、京都市の西のほうにある大きい南北の通りの「西大路」という通りを、ちょうど送り火が点火されている時間帯に北上して走ると、進行方向に大きく見えてたりしましたね。
で、そんな五山の送り火の日。お盆の最終日は、それまでお盆期間中は里帰りの人や、観光客の皆さんでゴッタ返していた京都市内が、うってかわって静かに感じる日でもありまして。
なんとなく市内全体が、お盆に帰って来ていたご先祖様がサヨナラーてするのをちょい残念がってるような、なんとなくそんな妙な空気感があったりします。
そんなお盆の終わりにいつも思い出すのは、もう今ではそのご先祖様の仲間入りしています私の祖母の事でして。
いや、祖母だけじゃなく、祖父もですねえ。
なんてったって、祖父の命日はまぎれも無く8/16なので。五山の送り火当日がその日なので、まあいつまでたっても忘れる事はできませんです。
上の写真は、以前に祖母のパッチワークの作品で、一冊のアルバムを使って作品集にした時に使用した、表紙の扉写真。
写っているミシンは長年祖母が愛用してきた、足踏みミシンです。
ものすんごく古いミシンですけども、古びた木の色も、使い回してすこし煤けた本体の金属もすごくいい味を出しておったりするものでして。
祖母が亡くなった時には、このミシンを移動させて部屋を少し片付けていたんですけども、それまで一回も触れなかったこのミシンを持ち上げようとして力を入れても、ピクリともしない程重かったのを憶えています。
大の男2〜3人居ないと動かせないくらい、重いもんだったんですねえ。
祖母は毎日毎日、早い時は早朝の5時くらいから、祖父のご飯なんかもう全く忘れ去ってしまって、夕方まで色々作っておりましたです。
一回何かに集中しだすと、周りが見えなくなってしまって没頭してしまうのは私の家系の伝統のようでして(汗)
祖母は自分も飲まず食わずでずーっとミシンを踏みこんでいました。
晩年になって、それまで大量に作成してきた作品を、これまた孫の勧めで、市内のギャラリーで展示会とかもしておったのですが、圧巻すべきその数で、年に数回くらい、毎年行っておりまして。
で、当然その作品集も作りたい。となったのですけども、通常の印刷の作品集だとどうしてもコストがかかってしまうのと、本格的な出版になってしまいますので躊躇していた時に、私が銀塩アルバムベースの作品集にしたら?という事で作らせてもらいました。
こちらがその表紙。
見開き状態なんで、中央が本の「背」の部分になります。
うちのおばあちゃんは、エミばあちゃんて言いまして。
名字の部分だけはちょいモザイクかけていますけども。
裏表紙の写真はミシン全体の写真です。
中面はほんとにシンプルで。
白地にただ淡々と作品が並んでいきますです。
ただ物によって一応ジャンル分けしましてですね、
何でジャンル分けするんや?というとこで悩んだんですけども。
使用用途も色々バラバラで、大きさも様々だったので、ここでは
「形」
でジャンル分けして、アルバムに収録しましたです。
このページは「方形」
四角の作品は全部ここに収録と。
このページは「多角形」
この辺は小さいものが多いので、それぞれのページに結構多くの作品を収録出来ましたですね。
なんとも色とりどりで、見てるだけで楽しいものです。
この辺はコースターですとか、そういうのが多かったですね。
ちなみに各見開きの周りに、グレーのふちがついていますけども、これは製本屋さんの使う裁断部分なので、実際の本にはありません。
データをそのまま掲載してるのでお許しを。
で、最後は「立体」
クッションですとか、カバンですとか。
このあたりは結構実用的なものが多くなります。
何でも展示会やってたら、売ってくれって言う人も居たとかで。
でもばあちゃんはお金には興味無いので、言われたらその場であげてしまってたそうですけどね。
個人的に欲しいなーと思える物も沢山ありますです。
で、最終ページはこちらで。
ばあちゃんの名字と、「撮影、編集」の場所のクレジットは私の本名が入ってしまっておりますのでモザイクモザイク(汗)
超シャイで、顔もまともになかなか撮らせてくれなかったばあちゃんに頼み込んで、一番印象的な「手」を撮らせてもらいました。
どうしてもこれを最後に入れたかったんですよね。
最終的にこのアルバムは、大きさがA4ワイドの版面で、ページ数はかなり多い50ページになりました。
作品を余裕を持って掲載するのには、やっぱこれくらいページ数が無いと。
現在は印刷機械の種類も多様化したのと、昔のように、大部数での印刷が減少しているのが影響してか、それぞれの印刷屋さんでもオンデマンドという、少部数印刷に対応してる処が沢山あります。
私がこのアルバムを作った時はそんなにまだ少部数印刷もありませんでしたけども、今であればもっとページ数を増やして、オンデマンド印刷のアルバムなんかにするともひとつオシャレなものも出来るかもしれませんね。
でもこの銀塩のアルバムも、50Pで相当の重量と質感もありますので、長く保管したり置いておくにはこちらのほうが良いかなーとも思ったりします。
印刷と銀塩とでは、やっぱり銀塩のほうが私的にしっくりくるのは、あくまで個人的な趣味志向の問題かもしれませんけどね。
コストは実質本当に安いですよ。それでいて1冊から作れるので、色んな人に知ってもらえればと思いますです。
自分の作品を一冊の本にしておきたい・・・て思ってる人は、相当多くいらっしゃると思いますのでね。
写真の紙焼きだけで置いておくのとでは、全然違いますので。
作家さんの方は、1冊どうですかー?
思い出としては、これを作ってばあちゃんに渡した時の、あのとっても嬉しそうな笑顔と、それなりに重い、半分辞書みたいな本なのに、誰かお客さんが来られた時には、毎回毎回嬉しそうに、
「ウチの孫が作りましてん。ちょっとみてくれはりますか?」
と奥から出してきては見せびらかしてたってのを、後日聞きまして。
嬉しかったり恥ずかしかったりした憶えがありますね。
お盆の終わりになると、そんときのばあちゃんの笑顔やら、しわくちゃの手やら、色んな事を思い出します。
そんなばあちゃんも、今晩送り火と一緒にあっちに戻って、また来年〜て感じです。
向こうでも相変わらず足踏みミシンで早朝からガタガタやってるんでしょうね。
まだまだ暑い京都ですけども、五山の送り火が終わるとそこからゆっくりと秋へと季節は向かいます。
言ってるうちにお彼岸ですからね。
そんときはまたばあちゃんの好きだった栗まんじゅうでも食べながら思い出しますか。
今日からお仕事全開〜て方も沢山いらっしゃると思いますけども、頑張ってくださいねー
私も相変わらずシロクマ片手に頑張りますです。
ではでは〜♪
登録:
コメントの投稿 (Atom)
お盆でダラダラしており、プチご無沙汰させていただいてました。
返信削除エミばぁちゃん すごいですね。
なんか、ドット絵みたいなのもあって。
NAWOさんは、エミばぁちゃんからセンスを貰われているのかもですね。
因みに、私の母方のばあちゃんはミエばあちゃんです(笑)
1冊からのアルバム、いいですね
なんか、自分の撮った写真に限らず、色々とやってみたいと妄想が膨らみます。
>はねなしさん
返信削除お盆堪能されてたみたいでなによりですー
ツイッターの娘さんのドライヤーで萌え死ぬ思いをして見ておりましたです。
にしてもミエばあさんとは・・・(笑)
あの世代の女性に多い名前なんですかねえ
アルバムはですね、知らない人が多いのもしょうがないんです。
業者さんは写真屋さんに気を使って、あまり一般の人からのお仕事を請けようとはしませんので。
というより、製本やらの作業は喜んでしてくれるんですけども、データを作るのを嫌がるんですね(汗)
何分一番手間のかかるとこですので。
でも一番気軽に自分の本を作ることのできる方法ではないんかなーて思います。
どですか?はねなしさんも一冊♪
子どもさんの写真とかで♪