2011年4月4日月曜日

桜と平安装束


わーいヌコヌコ・・・・・


なのか?? あれ?


こちらはネットの海で拾いました、カナダオオヤマネコさん。

なんだこの圧倒的な迫力は。ナルニア国物語にでも出てくるのか?



どうもこんばんわ。

折角京都市内もあちこちで桜が咲いてきたってのに、昨日はなんでしょうかなんであんなに嫌がらせのように寒いのでしょうか。

前日比日中の最高気温マイナス8度とかって普通にNHKのニュースで言ってたので飲んでたコーヒーを思わず吹き出しそうになりましたNAWOです。


どうなんですかね。なんか関東の方では花見での宴会は自粛だったりするようですけども。

こうやって少し単発的に寒い日があったほうが、桜の咲いてる時間も長続きするんよ・・・と昔に聞いた覚えがありますけどもね。


私的にはお花見で、桜の木の下で大宴会。というのはあんま経験がございませんでしてですね。

元々そんなにお酒も強いほうでは無いのと、どっちかっていいますと花より酒より団子派なもので。

なぜかそういう席にお呼ばれしますと、そのテーブルの食料を平らげるのに精一杯でお酒を飲む余裕の無い私ですが。


ま、でも桜を愛でるのは好きですよ。当然の事ながら。

京都でも色んなとこで桜咲きますけどもね。

有名な観光地にはもれなく桜もございますので、写真に納めるもよし、眺めてよい気分に浸るもよし。


量で言いますと滋賀県の海津大崎とか、大阪の造幣局とかのほうが多いんですけども、京都は桜と古い寺社仏閣とのコラボを楽しむ感じでしょうか。



と、言う事を書いておりますと、ちょっと最近ついでに色々やってましたお仕事で、平安装束の関係の仕事がありまして。

その中で昔の人が着てました服装の、主に女性が身につける服装だと、有名なのは十二単っていうのがあるんですけどもね。


まあその名の通り、何重にも着物を重ねて着るのですけども、今の感覚で言いますとね、12枚も着物着るなんて、一体どんだけ寒がりやねん。と思うかもしれませんが。

当時の平安時代らへんの織物というのはですね、高級品だと今でもそうですけども、絹の織物だったわけなんです。

今の絹と比べて、ものすごい薄さ・・・というか、なんでも昔の絹は薄い方が上品でよろしいとかいう風潮もあったりとかって話ですけどもね。


なのでそういった絹を何枚も重ねる事で、その下の布地の色が透けて見え、何重にも重ねる事でその色の調和を楽しみ、それをおしゃれの一環として行っていたのだとか。


当然季節によってその着る色合いも違いまして。

元々四季のある日本ですので、春夏秋冬と違う色合いでおしゃれをしておったようです。

その中で、色んな日本の伝統色が生まれて来たのですけどもね。


それらの色をどう合わせるのか?という事で、色んな組みあわせの色目があるんですが、それを総称して、

「襲(かさね)の色目」

と呼びまして。


春で、儀式の時などに着る衣装の襲の色目では、


皆紅の衣(みなくれないのきぬ)


小袿:松重(表:青/裏:紫)
表着:白(表:白/裏:白)
五つ衣
・1:(表:紅/裏:紅)
・2:(表:紅/裏:紅)
・3:(表:紅/裏:紅)
・4:(表:紅/裏:紅)
・5:(表:紅/裏:紅)
単:紅
※青は緑の古名





紅匂の衣(くれないにおい)

小袿:赤色(表:赤/裏:赤)
表着:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
五つ衣
・1:(表:紅/裏:紅)
・2:(表:紅/裏:紅)
・3:(表:紅/裏:紅)
・4:(表:淡紅/裏:淡紅)
・5:(表:さらに淡紅/裏:さらに淡紅)
単:紅梅





紅の薄様(くれないのうすよう)

小袿:葡萄(表:蘇芳/裏:縹)
表着:桜(表:白/裏:赤花)
五つ衣
・1:(表:紅/裏:紅)
・2:(表:淡紅/裏:淡紅)
・3:(表:さらに淡紅/裏:さらに淡紅)
・4:(表:白/裏:白)
・5:(表:白/裏:白)
単:白





紫匂(むらさきにおい)

小袿:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
表着:裏山吹(表:黄/裏:紅)
五つ衣
・1:(表:紫/裏:紫)
・2:(表:紫/裏:紫)
・3:(表:紫/裏:紫)
・4:(表:淡紫/裏:淡紫)
・5:(表:さらに淡紫/裏:さらに淡紫)
単:紅





紫の薄様(むらさきのうすよう)

小袿:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
表着:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
五つ衣
・1:(表:紫/裏:紫)
・2:(表:淡紫/裏:淡紫)
・3:(表:さらに淡紫/裏:さらに淡紫)
・4:(表:白/裏:白)
・5:(表:白/裏:白)
単:白





梅の衣(うめのきぬ)

小袿:赤色(表:赤/裏:赤)
表着:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
五つ衣
・1:梅(表:白/裏:蘇芳)
・2:梅(表:白/裏:蘇芳)
・3:梅(表:白/裏:蘇芳)
・4:梅(表:白/裏:蘇芳)
・5:梅(表:白/裏:蘇芳)
単:蘇芳





莟紅梅(つぼみこうばい)


小袿:葡萄(表:蘇芳/裏:縹)
表着:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
五つ衣
・1:莟紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・2:莟紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・3:莟紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・4:莟紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・5:莟紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
単:青
※青は緑の古名





裏陪紅梅(うらまさりこうばい)


小袿:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
表着:葡萄(表:蘇芳/裏:縹)
五つ衣
・1:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・2:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・3:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・4:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・5:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
単:紅





紅梅匂(こうばいにおい)


小袿:葡萄(表:蘇芳/裏:縹)
表着:萌黄(表:萌黄/裏:萌黄)
五つ衣
・1:濃紅梅(表:濃紅梅/裏:濃蘇芳)
・2:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・3:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
・4:(表:淡紅梅/裏:淡紅梅)
・5:(表:さらに淡紅梅/裏:淡紅梅)
単:濃紅梅





桜重(さくらがさね)


小袿:蘇芳(表:蘇芳/裏:蘇芳)
表着:紅梅(表:紅梅/裏:蘇芳)
五つ衣
・1:桜重(表:白/裏:赤花)
・2:桜重(表:白/裏:赤花)
・3:桜重(表:白/裏:赤花)
・4:桜重(表:白/裏:赤花)
・5:桜重(表:白/裏:赤花)
単:紅



(http://tukineko.pekori.jp/より)


と、もう書ききれないのでこんなもんにしときますけども。

ちなみに右が重ねた時の簡単な色の説明。

着物の袖?の部分だとおもえばイメージしやすいかもしれませぬ。


とはいいましても、薄いシルクなんでもっと下の色が透けて、綺麗なグラデーションになるのでしょうけどもね。


春の装束だけでもこんだけ種類がありますですね。

もちろん同じかそれ以上づつ、春夏秋冬にありますので、全部となると相当種類が多いのですが。

一番最後の単(ひとえ)ってのが一番外側ですけども、こんだけの量を重ねて着ていても、見えるのは襟口や袖のとこだけってとこがなんとも和のおしゃれを感じざるを得ないのですけどもね。


ちなみに紫匂(むらさきにおい)のような、色目なのになんで匂いって言うの?という事を思う方も居ると思いますけども、この場合の「匂い」というのは濃淡のグラデーションの事を指します。

なのでそのまま紫の濃淡のグラデーションをテーマにしてますよーって事ですね。

和の色であと、蘇芳ってのは赤紫。でもって当時の青ってのは、現在の緑になります。

あと萌黄は黄緑、紅梅は紫がかった薄いピンクと。


和の色ってのは結構難しい色が多いんですけども、その名前もなかなかに楽しめる要素だったりしてね。


京都の土地柄だからなのかはわかりませんけども、もう少し先になるんですが、この平安装束のお仕事をされてるとこより、また色々な印刷物だとかのお仕事のご相談を承りましてですね。

それでもって色々と調べておりますと、なんとなく大和絵に出てくる王朝絵巻の桜の舞い散る絵が想像されたりしましてね。

それで今日はこんな記事になってしまいましたけども。


京都に長く住んでいる人ほど、意外と京都の事には疎い。そう言われる事が多いんですけどもね。

まあ実際に私も金閣寺とかって、前通ったことなら何度もありますけど、わざわざ見に行った事はありません。

でも折角なので、そういった歴史にも精通しておいても全く損は無いところか、私的には色んな美しい物に触れる事ができますので今からちょっと楽しみにしてたりしてます。



いやいやいや、いいじゃあないですかー。

桜と王朝絵巻と襲の色ってね。なんか粋じゃないですか。


という言い方をしててふと思うんですけど、多分関西(京都)の人が思ってる「粋」ってのと、関東の方の人が思ってる「粋」ってのって少し違うような気がするんですよねー。

というよりも、個人個人で思い描く「粋」って違うのかもしれませんけど。

「粋」ってのを英語に当てますと、Chic(シック)になるんですけど、これもなーーんか意味が違うような気もするし。

日本語ってムズカシイネーー。とちょい外人さんチックになってしましましたとさ。


というわけで今日はお仕事の最中に平安時代にタイムスリップしてしまったの巻でした。

あーー。にしてももうちょいで作ってるアイテムサイトのアップが迫っております。

予定では4/9にしてるんですけども、大丈夫なのか?私。

大丈夫だ。問題ない。


この一週間は多分どこぞの戦うサイボーグ並みの加速装置で乗り切ります。

シロクマがあればどこまでも行けるのさーー♪フフフン♪


ではではまた明日。

ごきげんよう〜


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4 件のコメント:

  1. >匂い
    濃淡のグラデーションですか。それは粋ですねw

    そういえば、こういうのもありましたね
    「咲く花の におふがごとく 今さかりなり」

    あ、これ、京都じゃないや、奈良の話だったw
    「青丹よし 奈良のみやこは 咲く花の〜」

    返信削除
  2. 日本人って、色彩と香を同時に感じることができるんだなぁ~。
    と、“にほふ”から感じました。

    粋というと関東なイメージでしたけど関西の粋も興味ありますー^^

    返信削除
  3. >Piccolaさん

    海外在住なのに和歌を知ってるあたりに痺れる憧れるー

    小倉百人一首もなかなかに素敵ですけどもね。

    といっても私は坊主めくりくらいしか嗜んだ事ないんですけども・・・・(`・ω・´)

    私のじいさんは百人一首の超達人でございました。

    返信削除
  4. >はにーさん

    はじめましてー

    色彩と香りを同時にていいですよね。

    昔は今のよう五感的に色んなものはありませんでしたから、それだけにほのかな色合いのグラデションだとか、ほんのりにおうような香だとかにむしろ文化の中心があったのではないかと思ったり。

    でも今は色んなものがあふれてる分、その繊細なものが逆に「粋」に感じるのかもしれませんねえ。

    関東の粋とかって言いましたけど、実はよくわかってなかったりする私なのでございました(;・∀・)

    誰か教えてプリーズ( ・∀・)

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