2010年6月24日木曜日

震えててもシャッター。

chelsea elizabeth photography

どうもみなさんこんにちわ。


今日は梅雨の中休みのようでして。ここぞとばかりにクタクタに使い古されて湿っぽくなったお布団をベランダで干したんですが、案の定近所の鳥達に爆撃されまして、結局シーツをもう一度洗う羽目になってしまい、いいんだかわるいんだかよくわからないNAWOです。

ほんの数時間干してるだけだっつうのに、
なんでウチの布団だけ狙い撃ちするかな・・・(´Д⊂ヽ


おとといの晩はいきなりの雷雨が深夜にあったりしまして、高木ブーが落ちてくるのを今か今かと待ちわびておったんですが、結局高木さんもいかりやさんも誰も落ちてはきませんでした。残念。



いやいや、そんなことはどうでもよくてですね。( ・∀・)


数日前の記事の「一組一種のデザインが夢だったりして。」というので家族写真のことで、いつもお世話になってますはねなしさんから、ご自身のお子さんのお宮参りの時の撮影のことで色々コメントもらいまして。


今日はそれにちなんで、家族の肖像写真なんかをトップに持ってきたりしました。


今日の写真の撮影されてます方は、チェルシーエリザベスさんという、美味しい飴ちゃんみたいな名前の写真家さんなんですが、主に家族やなんかのポートレイト。日本語で言うところの「肖像写真」をメインに撮影されてる方です。


名前からして、おそらく女性だと思うんですが、どの写真も優しさと愛情にあふれてまして、見てると本当に癒される写真ばかりです。




やはり写真を撮って残す文化というのは、西洋諸国のほうがはるかに長いからなのかはわかりませんが、日本で言う「肖像写真」とはまた違い、この人の写真は自然な、本当にスナップ的な写真が多いです。


でも、この写真みたいにちっちゃな赤ちゃんから、お父さんお母さん、はてはおじいちゃんおばあちゃんまで幅広く撮影されてるみたいですので、すごく腕も良いんだろうなあと思います。


画像からその方のサイトに飛べますので、興味のある方は是非どうぞ。
綺麗ですよ。


最近はわが日本でも、
「スタジオルイージの兄」
ですとか、
「スタジオ不思議の国の主人公」
ですとか、


色んな俗に言う「こども写真館」さんが沢山ありまして。


ちょい前まではそういったこども写真館ジャンルはそんなに無かったんですけども、今では大手の企業も参戦して、既に戦国時代となりつつありますね。


ご存知の通り、私はカメラマンではありませんので、直接撮影したりすることは無いんですけども、撮影してからその場でデジタルデータをモニタ確認して、どのカットにするか選んでもらうって言うおなじみのシステムも、今日のデジタルカメラ全盛期のおかげであるところが非常に大きいです。


実はこのシステムには、色んな大人の事情もからんでまして。


俗に言う「特許」というやつですね。


まあ、こういうのは先に特許取ったもの勝ちなところもあるんですけども、アタリマエのように撮影後に見せているシステムも、ある企業の特許取得によって、他の写真館さんが同じようには出来ないなんて事情が最近までありました。


ですので、手を替え品を替え、その特許を侵害しない方法で何とか撮影後すぐにお客様に見てもらう方法が無いものか?という事を皆さん考えるので、私のような人間があちこちに行ってはそのシステム構築のアドバイスをしてた時もあります。


中型のフィルムカメラの上部にもうひとつマウントを付けて、そこにデジタルカメラをセットし、同調させて同じ絵を撮れるようにしたりとか。特許に抵触しないように、皆さん色々苦労してはりました。


でも世間一般では既に
「こども写真は、撮影してその場ですぐ確認」
が浸透しきってましたので、出来ないなんて言った日には、それこそお客様にそっぽ向かれてしまうのでまあ大変ですね。


そんなこんなで、その時に私も色々な撮影のスタジオですとか、現場にはお邪魔していたんですけども、その時のことでも書こうかなと思います。






その写真スタジオさんは、京都のとある結婚式場だったんですけども、式場さんといえど、平日は結婚式も無いことが多いので、例えば一般宴会の写真を撮影したりですとか、子供のお宮参りの写真を撮影したりとか、色んな撮影を結構されています。


そこの撮影スタッフは三人いらっしゃいまして。


20歳台中盤で、身長が高くスマートで、スナップ撮影のセンスも抜群。若手なのにスタジオ撮影での経験も豊富で、色んな撮影をこなすけども、クールゆえの無口なMさん。


50歳代で、見た目ただのだらしないオッチャン。身長低くて猫背。いつも着てるスーツはしわくちゃで、誰よりもお酒大好き。シャッターきってるところは、ほとんど見たこと無いぞ?というYさん。


あと一人居たんですが、今回の話しには関わってこないのでスルーで。


そこの式場さんに私はたまたまコンピュータのメンテナンスやらで行っていた時の話しなんですが、その日はお宮参りの記念写真の撮影があるということで、私もマックさんのメンテに来てたはずなんですが、なぜか一緒にバック紙(スタジオ撮影で使う、バックにひく背景)の超重たいものをエッサホイサと運んだり、ストロボの位置調節したり、いろいろ準備手伝わされておりました。


その日の撮影は、最初Yさんがする予定だったらしいのですが、昨晩お酒を飲めなかったので手が震えるとのことで、Mさんが撮影することになりました。


てか、Yさんアル中かよ。(;´∀`)




そのYさんの話しを少ししますとですね。結構年配の方なので、キャリアも相当長いベテランのカメラマン・・・・のはずなんですが、私自身はその時も一度もまともに撮影してるとこは見たことはありませんでして。(;^ω^)


それどころか、いつ見ても「あー、酒欲しい。酒。」が口癖の、おいおいオッチャン、あなたみたいな人がこんな式場さんに居て、ほんまに大丈夫なんかい?と心配するほどの超だらしない人でした。


ですが、その式場さんでも、他のカメラマンとも、誰ともなぜか非常ーーに仲がよく、いろんなところでYさんの失敗談や、だらしない話しは聞くけども、嫌われてる事もない・・・という不思議な方でして。


でも、正直姿形の見た目も疲れて飲んだくれたサラリーマンにしか見えませんし、仕事してる様子も殆ど見かけないので、まあそういう経験と、人当たりのよさで生きてる人なんかなあ。とか思ったりしていまして。(;´∀`)





ま、それはおいといてですね。一応その現場の責任者はYさんなんですが、実質の撮影はMさんともう一人の人が殆どやっておりまして。Yさんはたまーにちょい口出す程度だったんですけどね。


なのでYさんがシャッター押さないなんてのは、そんな珍しいことではなかったんで、いつものことーてな感じで進行してました。


で、当初よりもちょい早く、お宮参りに行った後の赤ちゃんとその両親とおじいちゃんおばあちゃん。合計赤ちゃんも含めて7人でスタジオに来られました。


その時はまだデジカメでは撮影してませんでしたので、中型カメラで撮影するんですけども、撮影のメインは赤ちゃんなので、赤ちゃんをメインにして、7人をどうやって綺麗に撮影するかが腕の見せどころ。


Mさんも別段始めてってわけでもありませんので、なれた手つきと的確な指示でご両親一同を綺麗に並べて、撮影しようか・・・・とその時に、一番の主人公の赤ちゃんがぐずりはじめてしまいました。


お宮参りというのは皆さんご存知かもしれませんが、ぶっちゃけ当の赤ちゃんはすごいちっちゃいので、顔もほんとにちっちゃくしか写りませんが、やはり主人公がぐずっていては周りの大人の表情も変わってしまうので、出来たら機嫌よくしてほしいとこですが。


日頃クールでスタイリッシュが売りのMさんも、七五三やなんかの時に使う、音の出るおもちゃ的なものである程度赤ちゃんをあやすんですが、まあ生まれたばかりの赤ちゃんにそんなもの通用するわけもなく、あえなく撃沈。


親御さんも「いやいや、もう仕方ないので、このまま撮ってください(;´∀`)」的な雰囲気になってきたので、あきらめてシャッターを・・・・というところで、どこでアルコールを補充してきたのかわかりませんが、背後からYさんが登場。


いつもはニヤニヤヘラヘラ笑ってごまかしてるような顔のYさんが、見たことないような超真剣な表情で、シャッター押す前のMさんに、


「俺が代わるわ。おまえは後ろで見とれ」


と、コソッと耳打ちして、シャッター押すのか?と思ったら、ツカツカご家族のほうへ。


で、何をするんかと思いきや、いつものニヤニヤ顔に戻って、「ちょい失礼しますわなー」と言って、後ろに手を組んで、赤ちゃんの顔面前5cmまで近寄り、ワンワン泣いてる赤ちゃんに、


「おーー、そうかそうか。
そうなんかー。そうやなあ。しんどいなあ。
でもな、大事な大事な写真撮るさかい、
ほんのちょーーっとだけ、静かにしてみよか。なあ?」


と、アフォかおっちゃん、そんなん言って赤ちゃん静かになるわけなかろうに・・・(;´Д`)


と思ったら、それを言った瞬間に泣き止んでしまい、私もMさんも超超ビックリ!Σ(゚Д゚)
というか、親御さんももっと超超超ビックリ!Σ(゚Д゚)


それどころか、後ろ手に持ってた小さなガラガラをふっと差し出して、無言でカラカラやり出すと、なんと笑っとるではないですかい!Σ(゚д゚;)

親御さんのとこまで歩いていって、この間、わずか1.2分。一瞬わが目を疑った瞬間でした。


で、ご機嫌になったのを見計らって、ツカツカとカメラまで戻ってきたYさん。

「ほれ!なにしとんねん! ボーッと突っ立ってんと、撮るで! お前声かけいや!」

とMさんに指示して、同じくボーッと見ていたMさんがあわてて親御さんに合図して。無事撮影終了。


撮影やら後の接客やらも無事終了してスタジオから事務所に戻ってきたら、一足先に戻って先に吉野家の牛丼を食しながらスポーツ新聞を読みふけるYさん発見。

そこでYさんに、「なんであんなグズッてた赤ちゃん、泣き止ますことができるんですか?というか、泣き止むだけならまだしも、あんな劇的に赤ちゃんの機嫌変える方法ってあるんですか?」

と聞いたんですが、

「んなもんあるかい。ワシの酒臭い息にビックリしただけじゃ。わはは(・∀・)

と一言。あっけにとられてますと、

「ま、それは冗談やけどな。でもな、お前ら、赤ちゃんやからてバカにしてへんか?言葉わからんやろうとか思て、テキトウにやっとるからちゃうか?
赤ちゃんかて一人前の人間や思て、お願いします。泣かんといてくださいってお願いしたらええねん。それだけやろ。」

と言われてしまいました。


まあ、私はそれからもシャッターを押す機会は無いので、実践はしたことは無いんですけどね。
でも、あの時の見た事無いくらいの超真剣な目のYさんと、その言葉で、なんでそんなだらしない人間の代名詞みたいなYさんが、いろんな人から信頼されてるのか解った気がしました。


今は冒頭でも言いましたけども、こども写真館に行くと、大概女性のカメラマンがすっごく多いですね。しかも色々競争も激しいので、それこそ色んな工夫で、赤ちゃんやこどもさんを笑顔で、綺麗に撮れる工夫がされてます。

皆さんすごくすごく、色んな衣裳や小道具や、撮影の時も本当に色んな工夫をされて、楽しく、美しく撮影するのは私もすごーく知っていますが。

でも、そのYさんの撮影した家族の写真は、子供だけじゃなくて、おとうさんもおかあさんも、両方のおじいちゃんもおばあちゃんも、なんだか少しホッとした柔らかなとってもいい顔で、赤ちゃんもほんとにかわいく笑顔で。

今でも私の中で、Yさんのその時撮影した写真が一番好きな家族写真です。

撮影後の会計やらの手続きはMさんがやってはったんですけども、帰り際にその親御さんたちが、

「あの撮影してくださった方に、本当にありがとうございましたってお伝えください、お世話になりました。今度はこの子が七五三の時に、必ず伺います。」

と深く深くお礼をおっしゃっていたのを今でも憶えています。(´∀`)

まあ、実はその時にYさんが撮影したカットで、サブカメラで撮った写真は全部ピントがあってなかったんですけどね。


おっちゃん!ほんまに手が震えとるやん!(;^ω^)


もうひとつ、家族写真で良い話があるんですけど、今日はYさんの話しで長くなったので、また明日ということで。

私も仕事しなくては怒られますからね・・・
Yさんみたいに、のらりくらり仕事できたらいいなあ・・・・ある意味理想だ。(´・ω・`)

ま、グチグチ言わんと働きますよー。はいはい。

ではではみなさん。ごきげんようですー。







2 件のコメント:

  1. そうかぁ ルイージの兄の(女性)カメラマンにも二日酔いで来てもらったらよかったんですね(チガ

    しかし、びっくりしました。
    ”そんな事”って言ったら語弊がありますが、あの撮影のシステムに特許があるんですね。
    なんだか、ありものの組み合わせで出来そうなので、特許査定されなさそうですが、結構初期の段階で取られたものなんですかね。
    私の会社は小さな小さな会社ですが、国内だけでも100件くらいの特許出願していて、それのおかげで小さいなりにやっていけてると言っても過言ではないです。
    気になって少し、特許庁のページでググりましたが、たくさん出てきて該当特許がどれかわからないくらいでした。

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  2. >はねなしさん

    どもいつもありがとうございます。

    私も東京特許許可局・・ぢゃなく、特許にはあまり明るくはないんですけど、結構昔にとられたみたいですね。

    まあ、個人経営のちっちゃな写真館とかは知らぬ存ぜぬでされてたみたいですけど。

    でもちょい大きいとこだと、色々大変だったみたいです。

    なんかビジネスモデル特許とか、今は色んな種類が沢山ありすぎて、私も調べてもよくわかんなかったのが正直なとこです

    でもそれで生活や経営されてるところも今はすごい多いみたいですから、守るべきものは守らないと。って事ですね。。(´∀`)

    私も何か特許とって、左ウチワで・・・
    そんなうまくいきませんかそうですか。(´・ω・`)

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